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お酒を飲むメリットとは?アルコールで得られる良い効果を科学的根拠から考察

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お酒といえば二日酔いや肝臓への負担、依存症など、健康への悪影響が注目されることが少なくありません。

では反対に「お酒を飲むことで得られるメリットとは?」というのが気になりました。

このため、ここでは「病気を予防する健康効果」ではなく、飲酒によって一時的に得られる心理・社会・感覚的なメリットについて科学的根拠を基に考察した内容をお伝えします。

もう一点。

アルコールの良い所ばかりを説明しているので、負の面を知りたい方は以下の記事を参考にして下さい。

二日酔いは何で起こるの?科学的な原因と予防法を解説

二日酔いはアルコールによる炎症反応や睡眠障害、胃腸への刺激、軽い脱水、脳内活動の反動など、複数の要因が重なって発生します。このため、二日酔い=単なる脱水ではないということです。ここでは二日酔いが起こる科学的な仕組みと、現在の研究で妥当と考えられている予防法を私なりに調べたので解説していきます。また、牛乳、ブドウ糖、ポカリスエット、OS-1、ウコンなど、一般的に広まっている対策についても簡単にお伝えします。

お酒を気ままに飲む

結論からお伝えすると、アルコールを飲むことで得られるメリットはあります。

特に研究で確認されているのが以下の7点です。

  • 楽しい気分になりやすくなる
  • 緊張や不安が一時的に和らぐことがある
  • 外交的な行動が増える
  • 人との距離を縮めやすくなる
  • 痛みを感じにくくなる
  • 食欲や食事量が増えることがある
  • 一部の「ひらめき」を必要とする課題で成績が上がる可能性がある

調べた範囲ですが、以上の心理的・社会的・感覚的な作用がありました。

実際、アルコールがもたらす感情への影響をまとめた研究では、一人で飲む状況より人と交流しながら飲む状況において、肯定的な感情や社会的な結びつきを高める作用が比較的一貫して確認されています。

お酒を飲むと「楽しくなる」「よく笑うようになる」という人は珍しくありません。

こうした変化は、単なる思い込みではなく実験研究でも確認されています。

2012年に720人の参加者を面識のない3人ずつのグループに分けた大規模な実験がありました。

条件は以下の3つ。

  • アルコール飲料を含むグループ
  • アルコールを含んでいると思わせたグループ(プラセボ飲料)
  • ノンアルコール飲料のグループ

これらのグループから会話中の表情や発言などを分析。

結果として、アルコールを摂取したグループでは、自然な笑顔など肯定的な感情を示す行動が増え、否定的な感情を示す行動が減少しました。

さらに、個人が感じる「グループとの親近感」も高くなっています。

つまり「お酒を飲むと楽しい雰囲気になりやすい」という感覚には、一定の科学的根拠があります。

しかし、アルコールと感情についてまとめた研究では一人で飲んでも気分改善が一貫しない。

ですが、人と交流しながら飲む状況では、肯定的な感情や社会的な結びつきが高まりやすいことが報告されています。

ここから「アルコールを飲む+楽しい環境+人との交流」という組み合わせがお酒の楽しさを生み出す要因だと考えられます。

「緊張していたけど、お酒を少し飲んだら気持ちが楽になった」という経験がある方もいらっしゃると思います。

アルコールにはストレスに対する心理的・生理的反応を一時的に弱める「Stress Response Dampening(ストレス反応低減)」と呼ばれる作用が研究されています。

このことについて、106人の男性を対象とした実験では、アルコールまたはプラセボ飲料を摂取した後に、自分について話すスピーチを行うというストレス課題を実施しています。

結果、アルコールを摂取したグループでは、本人が感じる不安や皮膚電気反応など、一部のストレス反応が低下していました。

また、予測できない脅威に対する不安反応をアルコールが弱めることも実験で確認されています。

ただし、アルコールによる低減作用は本人の性格や環境、飲酒するタイミング、そのとき何に注意を向けているかなどによって変化します。

このため「アルコールには特定の状況で、不安やストレス反応を一時的に弱める作用がある」という考えに至ります。

「普段は物静かな人なのに、お酒を飲むとよくしゃべる」という変化も研究があります。

2017年に156人を対象に飲酒前後の性格表現を調べた実験が行われています。

その時、飲酒中の様子を録画し専門の訓練された第三者が評価したところ、最も一貫して確認された変化は「外向性」でした。

評価項目は以下の7つ。

  • よく話す
  • 頻繁に笑う
  • 頻繁にほほ笑む
  • 高いエネルギーを示す
  • 表情や声、身振りが豊かになる
  • 冗談を言う
  • 遊び心のある行動をする

この事から、飲酒すると「内向的な人格が外交的な人格へ変わる」という訳ではなく、外交的に見える行動が増えるというのが考えられます。

そして、外交的に見えるのはアルコールで行動を抑える力が弱くなるのが原因として考えられます。

2023年に発表されたメタ解析では「Go/No-Go課題(瞬時の判断行動試験)」「Stop Signal課題(抑制制御と反応制御の測定試験)」を用いた多数の実験をしました。

結果、急性アルコール摂取によって「行動を途中で止める能力」が低下することが確認されています。

例えば「話すぎない方がいい」「こんな冗談を言ったら恥ずかしい」「もう少し大人しくしておこう」など考えや行動をおこさない人でも飲酒によって表に出やすくなるわけです。

このことから、会話量や笑顔、身振りなどが増え、外交的に見えるようになると考えられます。

よく飲み会後に「想像している人とは違って面白いんだね、話をするんだね」と言われる方はアルコールにより外交的になっているタイプですね。

お酒のメリットとして、特に科学的根拠が多いのが「社会的交流」です。

先ほど紹介した720人を対象とした実験で、アルコールを飲んだグループで以下の変化が確認されました。

  • 肯定的な表情が増える
  • グループ全体で笑顔になる時間が増える
  • 沈黙が減る
  • 会話が続きやすくなる
  • グループへの親近感が高くなる

2024年に発表された、アルコールと親和的な会話行動に関する系統系レビュー・メタ解析でも、アルコールが人との繋がりを示す発言や会話行動を増やす可能性が報告されています。

職場の人などと飲みに行ったあと「以前より話しやすくなった」「距離が縮まった」と感じることがあります。

いわゆる「飲みにケーション」ですね。

ただ「会社の飲み会に参加すれば必ず人間関係が良くなる」と証明されているわけではありません。

しかし、アルコールを飲む→自己抑制が弱くなる→笑顔や会話が増える→相手も反応する→親近感が生まれる。

このような一連の社会的反応については実験研究から一定の裏付けがあります。

このため「アルコールそのものが信頼関係を作る」というより「人間関係を作るための会話や交流を起こしやすくする」と考えられます。

もちろん、アルコールにより攻撃的になったり不愉快な思いをさせる人との飲みには参加しないのが大前提です。

一緒に楽しめる人や気心が知れた人との飲み会限定というのはお伝えしておきます。

アルコールには、痛みを感じにくくする作用も確認されています。

2017年に発表された系統的レビュー・メタ解析では、18件の実験研究、合計404人のデータが分析されました。

アルコール摂取による結果は以下の2つ。

  • 痛みを感じ始めるまでの閾値(いきち)が上昇する
  • 感じる痛みの強さが低下する

このような鎮痛作用が確認されています。

つまり「酔うと痛みを感じにくくなる」という現象にも科学的根拠があります。

あるあるは、飲んだ翌日に知らないアザができていたり、ケガをしていたけど気付かなかったなどですね。

ただ、研究で確認された鎮痛効果は酔いや判断能力低下などが起こりえるアルコール濃度で確認されたものです。

したがって、アルコールには鎮痛作用があるものの、痛みを治療するために飲酒することを推奨しているわけではありません。

映画やドラマで見かけるようなお酒を一気飲みしたからと、激しい痛みを抑える効果は期待できないとお考え下さい。

「お酒を飲むと食事が進む」という現象にも研究結果があります。

2019年に発表された系統的レビュー・メタ解析では、22件の研究、701人の参加者を分析しています。

結果としてアルコールを摂取した場合、ノンアルコール条件と比較して食事から摂取するエネルギー量の平均は343kJ増加していました。
※kJ(食事摂取エネルギー)は1kcalで約4.184kJです。

さらに、アルコールそのもののエネルギーも合わせた総摂取エネルギーは、平均1072kJ増加しています。

このため、比較的少ないアルコール摂取でも、その後の食事量が増える可能性があります。

フランス語の「アペリティフ(食前酒)」など、世界には食事の前に少量のお酒を楽しむ文化があります。

こうした食前酒について「アルコール摂取によって、その後の食事摂取が増えやすくなる」という点では先ほどお伝えした通りの科学的説明ができます。

ただ、食欲が増えることは食事を楽しむという点ではメリットになりますが、ダイエットや摂取カロリーを抑えたい方にとってはデメリットになります。

少し変わった研究として、アルコールと創造性についての研究もあります。

2012年の実験では、参加者の血中アルコール濃度うぃ約0.075%まで上昇させ「Remote Associates Test(RAT)」と呼ばれる、複数の言葉から共通する関連語を見つけ出す課題を行いました。

飲酒した参加者は非飲酒者より以下3点の結果が認められています。

  • 多くの問題を解く
  • 短時間で回答する
  • 解答を「ひらめいた」と感じる

アルコールによって注意の範囲や認知制御が変化し、通常なら排除してしまうような関連性を思いつきやすくなった可能性が考えられています。

ですが、2020年に125人を対象として行われた同じような実験で、アルコールによる創造的思考能力の向上は確認されていません。

このことから「一部のひらめき型課題では有利に働く可能性があるものの、研究結果は一貫していない」と考えられます。

私は「ひらめいた」事があればすぐにメモを取り、日常生活で役立っているので2012年の研究結果には肯定的です。

これは「アルコール近視(Alcohol Myopia)」と呼ばれる考え方です。

アルコールを摂取すると情報を処理する能力が低下し、その場で目立っている情報へ注意が偏りやすくなるとされています。

例えば楽しい飲み会であれば以下の事などに意識が向きます。

  • 目の前の面白い会話
  • 友人の笑顔
  • 料理
  • 音楽
  • 楽しい雰囲気

そして「明日の仕事」「発言による恥ずかしさ」といった周辺情報への注意が弱くなれば、その瞬間を楽しみやすくなる可能性があります。

つまり、アルコール摂取により楽しい感情を直接作り出すというより「その場で強く感じている刺激や感情を優先しやすくなる」という事が考えられます。

人と一緒に飲んでいる場合には、さらに「相手の反応」が加わります。

一人が笑う→相手も笑う→会話が続く→さらに笑顔が増える→親近感が高まる

一つの例ですが、このような相互作用です。

実際、720人を対象とした研究でも「グループで共有される笑顔」「沈黙の減少」「順番に続く会話」といった事が集団レベルの変化で確認されているからです。

これが、一人で飲む場合よりも、誰かと一緒に飲んだ時の方がアルコールの肯定的な作用が現れやすい理由の一つと考えられます。

アルコールには健康上のリスクがある一方、得られる良い作用も科学的に研究されていました。

特に比較的根拠が確認されているものとして以下の事が挙げられます。

  • 楽しい気分になりやすい
  • 緊張や不安が一時的に和らぐことがある
  • 外交的な行動が増える
  • 人との会話や親近感が増えやすい
  • 痛みを一時的に感じにくくする
  • 食欲や食事量が増えることがある

また、世間一般ではアルコールの負の部分ばかりが紹介されています。

私が今回伝えたかったことは「アルコールにもメリットがある」という事です。

お酒の味や香りを楽しみ、料理と組み合わせ、人と会話をし、笑い、同じ時間を共有する。

こうした「飲酒によって生まれる体験」の一部については科学的にも説明できることが分かっています。

自分に合った量でお酒を楽しむこと。

それがお酒のメリットを活かしながら、長く付き合っていくために重要だと考えます。

参考文献・参考資料

  1. Sayette MA, et al. Alcohol and Group Formation: A Multimodal Investigation of the Effects of Alcohol on Emotion and Social Bonding. Psychological Science. 2012;23(8):869-878. DOI: 10.1177/0956797611435134.
  2. Goodwin ME, Sayette MA. A Social Contextual Review of the Effects of Alcohol on Emotion. Pharmacology Biochemistry and Behavior. 2022;221:173486. DOI: 10.1016/j.pbb.2022.173486.
  3. Winograd RP, et al. An Experimental Investigation of Drunk Personality Using Self and Observer Reports. Clinical Psychological Science. 2017;5(3). DOI: 10.1177/2167702616689780.
  4. McPhee MD, et al. Meta-analysis of acute alcohol effects on response inhibition. Neuroscience & Biobehavioral Reviews. 2023. PMID: 37277010.
  5. Sher KJ, et al. Stress-Response-Dampening Effects of Alcohol: Attention as a Mediator and Moderator. Journal of Abnormal Psychology. 2007;116(2):362-377. DOI: 10.1037/0021-843X.116.2.362.
  6. Hefner KR, Curtin JJ. Alcohol stress response dampening: Selective reduction of anxiety in the face of uncertain threat. Journal of Psychopharmacology. 2012;26(2):232-244. DOI: 10.1177/0269881111416691.
  7. Thompson T, et al. Analgesic Effects of Alcohol: A Systematic Review and Meta-Analysis of Controlled Experimental Studies in Healthy Participants. The Journal of Pain. 2017;18(5):499-510. DOI: 10.1016/j.jpain.2016.11.009.
  8. Kwok A, et al. Effect of alcohol consumption on food energy intake: a systematic review and meta-analysis. British Journal of Nutrition. 2019;121(5):481-495. DOI: 10.1017/S0007114518003677.
  9. Jarosz AF, Colflesh GJH, Wiley J. Uncorking the muse: Alcohol intoxication facilitates creative problem solving. Consciousness and Cognition. 2012;21(1):487-493. DOI: 10.1016/j.concog.2012.01.002.
  10. Benedek M, et al. Creativity on tap 2: Investigating dose effects of alcohol on cognitive control and creative cognition. Consciousness and Cognition. 2020;83:102972. DOI: 10.1016/j.concog.2020.102972.
  11. Steele CM, Josephs RA. Alcohol myopia. Its prized and dangerous effects. American Psychologist. 1990;45(8):921-933. DOI: 10.1037/0003-066X.45.8.921.
  12. 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
  13. 世界保健機関(WHO)Alcohol Fact Sheet.

参照まとめ日:2026年8月9日

参考URL

  1. 社会的交流・笑顔・親近感:Sayette et al. 2012(PMC)
  2. アルコールと感情・社会的状況のレビュー:Goodwin & Sayette 2022(PMC)
  3. 飲酒時の外向性研究:Winograd et al. 2017(SAGE)
  4. ストレス反応低減:Sher et al. 2007(PMC)
  5. アルコールの鎮痛作用メタ解析:Thompson et al. 2017(PubMed)
  6. 食事量への影響メタ解析:Kwok et al. 2019(PubMed)
  7. アルコールとひらめき型問題:Jarosz et al. 2012(ScienceDirect)
  8. 創造性の再検証研究:Benedek et al. 2020(PubMed)
  9. 純アルコール量・飲酒ガイドライン:厚生労働省「飲酒量(純アルコール量)について」
  10. アルコール全般の健康リスク:WHO Alcohol Fact Sheet

参照まとめ日:2026年8月9日

同じお酒でも飲む量や割り方、飲む速度などにより体への負担は変わります。

当サイトでは、ウイスキー、ジン、リキュール、テキーラ、ワインなどを実際に飲んだレビューをお伝えしています。

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