
飲酒前の定番商品として「ウコンの力」や「ヘパリーゼ」などの飲酒サポート商品を利用している方は多いと思います。
私もその一人です。
そして、こうした商品は「お酒を飲む前に飲んでおけば安心」「アルコールの分解を助けてくれそう」というイメージを持ちやすいですよね。
ここでは飲酒サポート商品はどれほどの効果があるのか?
根拠を基に考察した内容をお伝えします。
結論|アルコール分解が早まる可能性を示す研究はあるが、市販商品の効果は確立されていない
結論からいうと、ウコンなどに含まれる一部の成分について、アルコールやアセトアルデヒドの代謝に影響する可能性をしめした研究はあります。
特に近年、吸収性を高めたクルクミン製剤「セラクルミン(Theracurmin)」を使ったヒト試験では、プラセボと比較して血中アルコール濃度やアセトアルデヒド濃度が低くなったことが報告されています。
しかし「クルクミンに研究結果がある」ことと「飲酒サポート商品を使用すればアルコール分解が早まる」ことは同じではないです。
というのも、研究で使用されたクルクミンの種類や吸収性、配合量などの成分が市販の飲酒サポート商品と同じとは限らないからです。
この理由から現時点の状況を一言で伝えると。
「アルコール代謝をサポートする可能性が研究されている成分はあるものの、ウコンの力やヘパリーゼを飲めば酔いが早く抜ける、とまでは科学的に断言できない」
こちらが妥当な結論になります。
アルコール分解の過程についてはこちらの記事で解説しています。

二日酔いは何で起こるの?科学的な原因と予防法を解説
二日酔いはアルコールによる炎症反応や睡眠障害、胃腸への刺激、軽い脱水、脳内活動の反動など、複数の要因が重なって発生します。このため、二日酔い=単なる脱水ではないということです。ここでは二日酔いが起こる科学的な仕組みと、現在の研究で妥当と考えられている予防法を私なりに調べたので解説していきます。また、牛乳、ブドウ糖、ポカリスエット、OS-1、ウコンなど、一般的に広まっている対策についても簡単にお伝えします。
お酒を気ままに飲むウコンの力でアルコール分解は早まる?


「ウコンの力」「ウコンエキスドリンク」は清涼飲料水です。
公式情報では代表的なウコンの力1本に秋ウコン由来のクルクミン30mg、ビサクロン400μg、ビタミンB群4種が配合されています。
ただし、商品により配合量や成分は異なるので上記は参考程度です。
分類としては「食品」のため、医薬品のように「二日酔いを治療する」「アルコール分解を速める」という効能が承認された商品ではありません。
ですが注目したいのが「クルクミン」と「ビサクロン」です。
クルクミンにはアルコール関連の研究があります
クルクミンはウコンに含まれる代表的なポリフェノールで、抗酸化・抗炎症作用などを中心に多くの研究が行われています。
さらに2025年には、吸収性を高めたクルクミン製剤「セラクルミン(Theracurmin)」を用いた健康な成人27人を「ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験」が報告されました。
※この試験は被験物質と疑似物質(プラセボ)の2群に分けた臨床試験のことです。
この試験結果では、セラクルミン摂取時にプラセボと比較して血清アルコール濃度のAUCや補正後のアセトアルデヒドAUCの低下を認めています。
ですが、これは「セラクルミン」というクルクミンより吸収性を高めるよう加工されたものなので「ウコンの力」に含有されているクルクミンを飲めば同じ結果になるという訳ではありません。
また、アルコールやアセトアルデヒドの血中濃度が低下することと、頭痛・吐き気・倦怠感などの二日酔い症状が確実に防げるわけでもありません。
結論として、クルクミンには興味深い研究結果があるものの「ウコンの力を飲めばアルコールが早く抜ける」とまでは言えないのが現状です。
ビサクロンはアルコール分解を早める?
ビサクロンはウコンに微量含まれる成分です。
この成分を使った、アルコールによる肝障害などとの関係を調べた基礎研究はあります。
これは細胞を使った基礎研究であり、ビサクロンがエタノールによる細胞障害を抑える作用を示していました。
しかし「人がビサクロンを摂取すると血中アルコール濃度が早く下がる」という事ではありません。
というのも、十分な臨床試験で確認したデータは限定的だからです。
ビタミンB群はどう?
ビタミンB群は体内のエネルギー代謝などに必要な栄養素です。
飲酒量が多く食生活も乱れている方では栄養不足を補う意味はあります。
しかし、ビタミンB群を摂取したからと、アルコール分解が大幅に速くなったり、二日酔いを防ぐといったことを確立した研究はありません。
コンビニのヘパリーゼWと医薬品ヘパリーゼは何が違う?


コンビニなどで購入できる「ヘパリーゼW」は医薬品ではなく清涼飲料水です。
1本あたり肝臓エキス100mg、ウコンエキス54mg(クルクミンは45mg)が配合されています。
公式サイトによると、クルクミンの吸収を高める目的で黒コショウ抽出物も配合しています。
そして、薬局・ドラッグストアで購入できる「ヘパリーゼドリンクⅡ」は第3類医薬品です。
※第3は副作用のリスクが比較的低い薬品
1本あたり肝臓水解物200mgのほか、ジクロロサクサンジイソプロピルアミン、タウリン、生薬などが有効成分として配合されています。
公式サイトなどを参照に肝臓エキスと肝臓水解物の違いは簡単に以下の通りです。。
- 肝臓エキス:レバーを分解した食品向けの原料
- 肝臓水解物:レバーを加水分解し、医薬品の有効成分(滋養強壮や栄養補助)として使用されている原料
※ただし、医薬品だから肝臓エキスよりアルコールを速く分解できるわけではありません。
結局、肝臓エキスと肝臓水解物はどちらもレバーを分解してアミノ酸やペプチドなどを摂取しやすくした成分となり、どちらも基本的には「栄養補助」という性質をもっています。
つまり、肝臓に由来する成分だからといって、アルコールを直接分解したり、血中アルコール濃度を速く低下させたりすることが認められているわけではありません。
これは、コンビニなどで購入できる「ヘパリーゼW」と薬局などで購入できる「ヘパリーゼドリンクⅡ」どちらにもいえることです。
ただ、医薬品ヘパリーゼの「肝臓水解物」にはアルコール関連の研究がある
そもそも肝臓水解物とは、哺乳類の肝臓を酵素や熱処理によって加水分解したもので、低分子のペプチドやアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどを含む成分のことです。
ここでアルコール関連の研究について触れます。
宮崎大学とゼリア新薬などによる研究では、マウスに対し、アルコールを与えた際の血清アセトアルデヒド濃度上昇を抑えた研究が報告されています。
他の実験では肝臓水解物によってエタノール投与後の一部の行動障害などが改善されたとありました。
また、アセトアルデヒド(アルコールを分解する途中に出る毒性)を直接投与した場合にも昏睡や肝障害の指標に対する抑制作用が確認されています。
ここまでは凄く良い傾向だと分かります。
残念なのは、ヒトではなく哺乳類などの動物を対象とした研究であるため、私たちが肝臓水解物を摂取したからといって同等の効果があることを証明したわけではありません。
体格や体重、飲酒量や使用量、環境などの状況により効果は変わるでしょうからね。
したがって「医薬品ヘパリーゼを飲めばアルコールが早く抜ける」と断言はできない状況です、
結局、ヘパリーゼはアルコール分解を早めてくれるの?
現在確認できる科学的根拠を整理すると、ヘパリーゼについて「まったく根拠がない」と切り捨てることは正解ではありません。
ただ、ヒトでの十分な臨床的根拠が確認できないだけです。
現時点では「ヘパリーゼに含まれる一部の成分にはアルコール代謝との関連を示す研究がありますが、血中アルコール濃度が早く無くなるといったことは科学的に証明されていない」というのが妥当です。
「アルコール分解を助ける可能性」と「酔いが早く抜ける」は分けて考える


ここまで見ていると一つの疑問が浮かぶと思います。
「少しでもアルコール代謝が早くなるなら、酔い覚ましとして使えるのでは?」
これは非常に危険な考え方です。
というのも、特定の成分についてアルコール代謝への影響が研究されているからといって、大量に飲んだアルコールを短時間で処理できるわけではないからです。
つまり、飲酒サポート商品を飲んだからといって、運転できる時間が早まると考えないで下さい。
ウコンの力やヘパリーゼなどの飲酒サポート商品は無意味?


ずっと効果は限定的、不明瞭などをお伝えしているので「飲んでも無駄では?」このように考えると思います。
ただ、クルクミンをはじめアミノ酸などについても、アルコールやアセトアルデヒドの血中濃度に影響する可能性を示すヒト試験が実際に報告され始めています。
現状としては、商品を使った臨床試験が不足している状況です。
つまり「成分レベルでは可能性が研究されているが、市販商品としてどの程度アルコール代謝を早めるかは不明」という位置付けです。
私の体感としては、飲酒サポート商品を飲んだ方が翌日が凄く楽なので、ある程度の効果はあると考えます。
まとめ|飲酒サポート商品でアルコール分解が早まるとまだ断言できない


ウコンの力やヘパリーゼなどの飲酒サポート商品には、アルコール代謝に関連して研究されている成分が含まれています。
しかし、商品を飲むことでアルコール分解が明確に早くなり、酔いが早く抜けると断言できるだけの根拠はまだ確立されていません。
「飲んだからいつもより多く飲める」「アルコールが早く抜けるから大丈夫」と考えるのではなく、飲酒サポート商品はあくまで補助的なものとして考えるのが適切です。
なんて色々お伝えしていますが、体感としては多く飲む予定があるなら飲酒サポート商品を摂取して挑んだ方が良いです。
というのも、飲酒サポート商品を飲んだ時と飲まない時では全然違うのが体感としての根拠です。
やはり飲酒サポート商品を摂取していた方が翌日、楽だからですね。
今日も楽しくお酒を楽しみましょう。
参考文献・参照サイト
・ゼリア新薬工業|ヘパリーゼWシリーズ
https://www.zeria.co.jp/hepa/w/
・ゼリア新薬工業|肝臓水解物とは?
https://www.zeria.co.jp/hepa/iyaku/liver_hydrolyzate/
・ゼリア新薬工業|ヘパリーゼドリンクシリーズ 製品情報
https://www.zeria.co.jp/hepa/iyaku/product/drink_series/
・井上尚典ほか「ブタ肝臓水解物の成分分析と抗酸化活性及びアンギオテンシン変換酵素阻害活性」薬学雑誌 2013
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/133/1/133_y110184/_pdf
参照日:2026年8月12日
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