
数ある飲料水から「ポカリスエット」と「OS-1」を選んだのは、私自身が二日酔いになった時に愛用させてもらっているからです。
このため、今回はこの2つに絞って説明していきます。
また、この2つに絞った理由として「寝る前にポカリを飲めば二日酔いを防げる」「二日酔いになったらOS-1が効く」といった話を聞いたことがあるからです。
確かにアルコールを摂取すると尿量が増えたり、嘔吐によって水分や電解質を失ったりすることがあります。
そのため水分補給そのものに意味が無いわけではありません。
しかし、脱水を改善することと、二日酔いそのものを治すことは別の話でした。
それでは、ポカリスエットとOS-1の効果はどれほどあるのか?
こちらを説明していきます。
結論|ポカリやOS-1は脱水に役立つが、二日酔いを治す効果は確認されていない

始めに結論からお伝えすると、ポカリスエットやOS-1によって二日酔いそのものを予防したり、早く治したりできるという十分な科学的根拠はありません。
ただ、飲酒によって水分不足が起きている場合には、水分や電解質を補給する事で口の渇きなど「脱水に由来する不快感」が改善する可能性はありました。
簡単に説明すると以下の通りです。
| 状況 | 科学的な考え方 |
|---|---|
| 寝る前にポカリを飲む | 水分補給になるが、二日酔い予防効果は確立されていない |
| 寝る前にOS-1を飲む | 脱水状態でなければ基本的に必要ない |
| 二日酔いでポカリを飲む | 水分不足や口喝の改善に役立つ可能性がある |
| 二日酔いでOS-1を飲む | 脱水している場合の水・電解質補給という点では合理性あり。 二日酔いの治療効果は確認されていない。 |
| アルコールの分解 | ポカリ・OS-1ともに早める根拠はない |
| 二日酔いが治るまでの時間 | 短縮することを示す十分な根拠はない |
なぜ水分補給だけでは二日酔いが治らないのだろう?

現在では二日酔いと脱水は完全に同じ現象ではないと考えられています。
2024年に発表された二日酔いと水分補給に関する研究の整理では、飲酒中や飲酒直後に水を飲んでも翌日の二日酔いを防ぐ効果は小さく、二日酔い中の水分摂取量と症状の改善にも明確な関係は確認されませんでした。
というのも、二日酔いは水分不足だけでなく、アルコール代謝、炎症反応、胃腸への影響、睡眠の質の低下など、複数の要因が関係していると考えられています。
このため、水分不足だけ改善しても「喉の渇きは治ったけれど頭痛は残っている」「水分は取れたけど吐き気やダルさは続いている」という事が起こり得ます。
これが「水分補給は大切なのに、二日酔いの特効薬にはならない」という理由になります。
ポカリスエットは二日酔いに効果がある?

ポカリスエットは水だけではなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質と糖質を含む清涼飲料水です。
したがって、水分とともに一定量の電解質や糖質を補給できる点では飲酒後の水分補給に利用すること自体、不自然ではありません。
ですが「ポカリだから二日酔いに効く」と考えるのは飛躍的です。
寝る前にポカリを飲めば二日酔いは防げる?
現時点では、寝る前のポカリスエットで翌日の二日酔いを防げるという事を直接証明した信頼性の高い研究は確認できませんでした。
水に限定したものなら、2026年に大分大学などの研究グループが日本人男性13名を対象にチェイサー(水)がある場合と無い場合のランダム化クロスオーバー試験を行っています。
結果、チェイサーがあっても翌朝の頭痛、吐き気、眠気、集中力などの有意な改善は確認されていません。
つまり「水分をたくさん摂っていればアルコールが早く抜け、二日酔いを防げる」という単純な仕組みではないことが分かりました。
したがって寝る前のポカリにしても「二日酔い予防薬として飲む」のではなく「飲酒によって不足した水分を補ってから寝る」程度に考えるのが妥当です。
二日酔いになってからポカリを飲むと早く治る?
二日酔いの朝に喉が渇いている、水分摂取量が少なかったなどの場合には、ポカリスエットを飲むことで水分と電解質を補給できます。
結果、水分不足に由来する口喝などが改善し、体感的に少し楽になる可能性はあります。
ですが、2024年の研究では二日酔いになってから摂取した水の量と二日酔い症状の改善度に明確な関係は確認されていません。
ここから、ポカリを飲んだからといって脱水の回復が早まる可能性はあっても、二日酔い全体の終了時間が早まることは確認されていないというのが現在の回答となります。
OS-1は二日酔いに効果がある?

OS-1はポカリスエットとは目的が異なります。
というのも、OS-1は軽度から中等度の脱水症における水分・電解質の補給や維持を目的とした経口補水液で、消費者庁の許可を受けた病者用食品になるからです。
細かい内容量(ナトリウムやカリウムなど)を一般的なスポーツドリンクと比較すると、OS-1の方が電解質濃度が高くなっています。
そして、濃度が高くなるのには理由があります。
経口補水液は、糖とナトリウムを適切な濃度で含ませることで小腸から水分と電解質を効率よく吸収させる「経口補水療法」に使用されます。
WHOも、脱水に対する経口補水療法としてブドウ糖と電解質を組み合わせた「ORS(Oral Rehydration Solution:経口補水液)」を利用しています。
この事からポカリとOS-1を簡単に比較すると。
- ポカリ=日常的な水分・電解質補給
- OS-1=脱水症に対する経口補水
以上のようになります。
寝る前にOS-1を飲めば二日酔いを防げる?
基本的に、二日酔い予防目的だけで寝る前にOS-1を飲む必要はありません。
OS-1の公式情報でも「脱水症でない人が普段の水分補給として飲むものではない」と明記されているからです。
また、「経口補水液は一般的なスポーツドリンクよりナトリウムやカリウムが多く、健康な人が日常的に飲んだり大量に摂取したりするものではない」と消費者庁より注意喚起されています。
それに、OS-1を寝る前に飲むことでアルコール代謝が早くなるという科学的根拠も確認できていないのが理由です。
二日酔いでOS-1を飲む意味はある?
嘔吐などにより、水分と電解質を失って脱水をおこしている状態なら、経口補水液という仕組み自体に合理性はあります。
ただ、OS-1が公式に許可されている用途として「感染性腸炎、感冒による下痢や嘔吐、経口摂取不足、過度の発汗、脱水を伴う熱中症など」が挙げられており、二日酔いは明記されていません。
したがって「OS-1は二日酔いに効果がある」ではなく「脱水状態に対する経口補水液なので、二日酔いと同時に脱水している場合には脱水の補正という意味がある」ということになります。
ポカリとOS-1なら二日酔いに対しどちらが効果があるの?

単純にOS-1の方が、成分が濃ゆいので二日酔いに強いという考え方はできません。
| 状態 | 考え方 |
|---|---|
| 飲酒後だが特に脱水症状はない | OS-1を積極的に選ぶ理由は乏しい |
| 少し喉が渇いている程度 | 水やポカリなどで水分補給する選択肢がある |
| 食事も水分も普通にとれる二日酔い | OS-1を二日酔い治療目的で飲む根拠は乏しい |
| 嘔吐などで水分・電解質を失っている | 経口補水という考え方には合理性あり |
| 水分を飲んでもすぐ吐く、または意識状態がおかしいなど | 飲料だけで対処する状態ではない |
結局は「どちらが二日酔いに効くか」で比較する飲料ではありません。
考え方としては以下の通り。
- 水分補給としてポカリスエットを使用
- 脱水症に対する経口補水液としてOS-1を使用
このような考えとなります。
というのも、ポカリやOS-1でアルコールの分解が早まるという科学的根拠はないからです。
飲酒中のチェイサー(水)は意味がない?

先ほども説明しましたが、2026年のクロスオーバー試験では二日酔いを防ぐ効果は確認されませんでした。
しかし、水分を摂取することでアルコールそのものの摂取量や速度が減少する事が確認されているので、チェイサーにはお酒を飲みすぎにくくするという効果はあるようです。
つまり、チェイサーを飲用することでお酒の摂取量が減るので、二日酔い対策としては一定の効果があると考えられます。
二日酔い対策としてのポカリ・OS-1を整理

ここまでの説明で2つの飲用は意味が無いように感じられるかもしれません。
しかし、ポカリスエットやOS-1を飲酒後に利用すること自体が無意味なわけではありません。
考え方としては、2つの役割を過大評価しないことが重要です。
口喝による水分補給、嘔吐などによる電解質バランスの崩壊に対して経口補水。
このように役割を分けて考えると良いです。
つまり、水分を補給してもアルコール代謝が早くなるわけではなく、炎症や睡眠への影響など二日酔いの別の要因まで消えるわけではないということです。
まとめ

ポカリスエットやOS-1には、水分や電解質を補給するという明確な役割があります。
ですが、寝る前に飲めば翌日の二日酔いを防げる、二日酔いになってから飲めば治るまでの時間が短くなる、アルコールやアセトアルデヒドの分解が早くなる、このような効果は現在のところ確認されていません。
この記事の内容を要約すると以下の通り。
- 寝る前のポカリ:水分補給としては〇、二日酔い予防薬としては×。
- 二日酔い時のポカリ:脱水由来の症状を軽減する可能性は〇、二日酔いを早く治す効果は未証明。
- 寝る前のOS-1:脱水していなければ基本的に必要なし。
- 二日酔い時のOS-1:脱水に対する経口補水という意味はあるが、二日酔い治療薬ではない。
以上のようになります。
ここからは私見ですが、私は寝る前にポカリスエットを飲むと翌日が楽です。
また、二日酔いの時にはポカリスエットを2Lほど飲んでいます。
食事が摂れないのが原因なんですがね。
ただ、私にはこれが効くんですよ。
それに、嘔吐とめまいでキツイ時にはOS-1を飲んで、体調を早く回復させるよう努めており、これにも効きますね。
最終手段は水を大量に飲んで、嘔吐によりスッキリ感を得ています。
今回、科学的根拠としてポカリとOS-1を説明しましたが、皆さんはどのような方法をとっているのでしょう?
もしかしたら今後、その方法が科学的根拠として紹介され、二日酔いに効き目がある方法として紹介されるかもしれませんね。
難しい話しに付き合って頂きありがとうございました。
参考文献・参考資料
- Imai H, et al. Water intake during drinking does not alleviate hangover symptoms. Frontiers in Pharmacology. 2026.
- Mackus M, et al. Alcohol hangover versus dehydration revisited: The effect of drinking water to prevent or alleviate the alcohol hangover. Alcohol. 2024.
- 大塚製薬「ポカリスエット 製品情報」
- 大塚製薬工場「経口補水液オーエスワン(OS-1)」
- 消費者庁「経口補水液について」
- World Health Organization, Oral Rehydration Salts: Production of the new ORS.
参照日:2026年8月15日
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